ブエン・レティーロ公園(Parque del Buen Retiro)は、北の端をアルカラ通り(Calle de Alcalá)とオドネル通り(Calle de O'Donnell)、東をドクトル・エスケルド通り(Calle Doctor Esquerdo)、南をメディテラネオ通り(Avenida del Mediterráneo)とレイナ・クリスティーナ通り(Paseo de Reina Cristina)、西の端をアルフォンソ12世通り(Calle de Alfonso XII)に囲まれたマドリードのこの地区の主役そのものです。
公園の起源は、15世紀末から16世紀初めにかけてのカトリック両王の時代に遡ります。しかし、この地区が建設されたのはずっと後になってからで、19世紀末、街の人口の急激な増加により、次々と新開発地区が誕生した頃のことです。このエリアは隣接するサラマンカ地区(barrio de Salamanca)と同様に、広い歩道のある通りが直角に交わっており、イビサ通り(Calle de Ibiza)やアルカルデ・サインス・デ・バランダ通り(Calle del Alcalde Sainz de Baranda)のように、くつろいで散策できる並木道もあります。基本的には住宅地ですが、街の中心部に近いため、店舗や企業も多く存在する地区です。
レティーロ公園(Parque del Retiro)はマドリードの定番の観光名所です。街で最も有名な都市公園だけでなく、周辺地区にも足を延ばし、様々な商業、文化、ガストロノミーの魅力をお楽しみください。
レティーロ公園には必見のモニュメントがいくつもあります。ボート漕ぎを楽しめる池に位置するアルフォンソ12世のモニュメント、クリスタル宮殿(Palacio de Cristal)、ベラスケス宮殿(Palacio de Velázquez)、堕天使の噴水は、1日かけて見て回る価値のあるものです。しかし、このエリアの文化スポットは公園だけではありません。
公園の角の一つ、アルフォンソ12世通りとアルカラ通りの合流点にあるインデペンデンシア広場(Plaza de la Independencia)に位置しています。カルロス3世(Carlos III)の依頼を受けて、建築家フランシスコ・デ・サバティーニ(Francisco de Sabatini)が1778年に建造したものです。
モヤノ坂(Cuesta de Moyano)
1925年から、クラウディオ・モヤノ通り(Calle de Claudio Moyano)には30ほどのスタンドが並んでおり、珠玉の文学の新刊や古本を探すことができます。
ブックフェア
毎年5月末から6月初めにかけて、フェルナン・ヌニェス通り(Paseo de Fernán Núñez)でブックフェアが開かれ、スペイン全土から本屋や発行者が集まります。
他にもこの地区では、パンテオン・デ・オンブレス・イルストレス(Panteón de Hombres Ilustres)、王立タペストリー工場(Real Fábrica de Tapices)、アトーチャ聖母教会(Basílica de Nuestra Señora de Atocha)をぜひ訪れたいものです。
造幣局博物館(Museo Casa de La Moneda)
この分野に関する世界屈指の重要な博物館とされ、歴史上の様々な造幣方法を通して、貨幣の起源を起点にその歴史をたどることができます。この博物館は、テレビの人気シリーズ「 La casa de papel(2017-2021)」 の主な舞台となりました。
この通りの他にも、メディテラネオ通り、メネンデス・ペラヨ通り(Avenida de Menéndez Pelayo)、レイナ・クリスティーナ通り、前述のイビサ通り、サインス・デ・バランダ通りをはじめとする商店街があります。この界隈ではスポーツがとても盛んであるため、レティーロ公園散策にうってつけのDiverbikesやRent & Rollなどのレンタサイクルショップ、Barrabesなどのスポーツシューズやスキーウェア、マウンテンウェアの専門店、スケートボードやスケートのショップなども見られます。
このエリアのもう一つの目玉はスポーツです。4.5キロに及ぶ公園の周囲で、数多くの陸上競技愛好家がトレーニングをする姿がよく見受けられます。レティーロ公園は数年にわたり、Rock & Roll Maratón de Madrid(マドリード ロックンロールマラソン)と Medio Maratón de Madrid(マドリード ハーフマラソン)の中心的役割を果たしました。
しかし、ここでは他のスポーツも楽しまれています。「馬車通り(Paseo de Coches)」として知られるフェルナン・ヌニェス通りでは、スケーターが大勢集まり、各自のレベルに合わせたクラスも行われています。スケートボーダー、とりわけロングボーダーの姿もよく見かけられます。
自転車競技も人気のあるスポーツです。自転車がなければ、公園付近の通りにレンタサイクルショップがあります。また、水泳もこのエリアの主役といえるスポーツです。多数の国際大会が行われてきた水泳センターM-86(Centro de Natación M-86)があり、現在では毎年、飛び板飛び込みのマドリード州グランプリ(Grand Prix Comunidad de Madrid)が開催されています。しかも、ごく間近にマドリードの歴史的な水泳クラブレアル・カノエ(Real Canoe)の施設もあります。
レティーロ公園付近には、イビサ通り、メノルカ通り、ドクトール・カステロ通り、ナルバエス通り、ロペ・デ・ベガ通りを含む イビサ地区があります。ここにはマドリードでもタベルナやレストランが最も密集、O'Grelo 、KultO、Taberna & Media や La Castelaをはじめ、素晴らしいスペインのガストロミーが楽しめます。