マドリードの北西部に位置するカサ・デカンポ(Casa de Campo)、オエステ公園(Parque del Oeste)、パルド(El Pardo)、南東のマンサナレス・スル(Manzanares Sur)やティエルノ・ガルバン公園(Parque de Tierno Galván)間を移動する移住動物相の回廊であり、野生動物の通過地点でもあるマンサナレス川。現在では再生処理が完了し、鳥や夜行性動物のための開かれたコミュニケーション軸として機能しています。
建築家ドミニク・ペロー(Dominique Perrault)設計のアルガンスエラ橋(Puente monumental de Arganzuela)は、建物群の中で傑出した作品です。長さ274メートルで、イェセリアス大通り(Paseo de Yeserías)とマンサナレス大通り(Avenida del Manzanares)を結んでいます。2つのコーン型メタリック螺旋で構成されています。両区間は丘でつながっており、そこからアルガンスエラ公園(Parque de la Arganzuela)へ降りることができます。夜間に訪れると壮観なイルミネーションで一層美しい橋となり、写真を撮らずにはいられません。
インベルナデロ橋(温室橋:Puente de Invernadero)とマタデロ橋(食肉処理場橋:Puede de Matadero)の2つの橋は、それぞれ名前の由来となった施設の前に位置しています。ドーム状の2つの歩道橋で、内部の装飾は、芸術家ダニエル・カノガル(Daniel Canogar)が、リサイクルガラスのモザイクでこの地区の住人を描いたものです。
M-30道路の旧ルートから歩行者用に再利用されたオブリクオ橋(Puente Oblicuo)や、Y字型に3つに分岐した鉄製のアンドラ公国橋(Puente del Principado de Andorra)も際立つ存在です。
マドリード・リオの遊歩道プエンテ・デル・レイ(Puente del Rey)には、長さ12メートル、高さ約3メートルの巨大なガラス彫刻があります。Las letras de Madrid Ríoは、マドリード市民とその環境意識に敬意を表してリサイクルされたガラス容器から作られた、「マドリード」という単語と象徴的な「クマとイチゴノキ」で構成された彫刻です。
マドリード・リオは全長10キロ以上に及ぶ、細長く伸びる大規模な公園です。北のエル・パルド(El Pardo)から南のヘタフェ(Getafe)まで、マンサナレス川の両岸沿いに伸びる大きな緑の遊歩道を形成しています。その上、カサ・デ・カンポ(Casa de Campo)、カンポ・デル・モロ庭園(Jardines del Campo del Moro)、サン・イシドロ公園(Parque de San Isidro)、マンサナレス帯状公園(Parque Lineal del Manzanares)、ティエルノ・ガルバン公園(Parque Tierno Galván)といったマドリードのその他の緑地帯とつながっています。同地区内にある公園は次の通りです。
カサ・デ・カンポの隣にある果樹園で、16世紀にバルガス宮殿(Palacio de Vargas)の畑であった頃の輝きを取り戻しています。
この大きな緑の回廊には、 アニセト・マリナス庭園(Jardines Aniceto Marinas)、ビルヘン・デル・プエルト公園(Parque de la Virgen del Puerto)、セゴビア橋庭園(Jardines del Puente de Segovia)、トレド橋庭園(Jardines del Puente de Toledo)、マタデロ公園(Parque del Matadero)といった他の緑地帯もあります。
マンサナレス帯状公園(PARQUE LINEAL DEL MANZANARES)
自然的状況と地中海庭園の伝統的な空間の回復により、ウセラ(Usera)区のドセ・デ・オクトゥブレ(Doce de Octubre)の環境に位置するこの公園は、90年代の建築提案の中で際立つものとなりました。果樹園、オリーブ畑、自然の水路が、ドミニク・ペロー(Dominique Perrault)が設計したテニスのハイパフォーマンス・センター、Caja Mágicaの周囲に広がる風景となっています。同センターはテニスのムトゥア・マドリード・オープンの会場です。
写真愛好家なら、この地区はマドリード観光に欠くことのできない場所です。セゴビア橋、アラガンスエラ橋など様々なスポットから、素晴らしい写真が撮影できます。その他、アーバンビーチとセゴビア橋の南にあるカフェ・レストラン2軒、第6ダム、アルガンスエラ橋の横、サン・サカリアス通り(Calle San Zacarías)付近にあるカフェ・バル3軒では、軽食をとったり飲み物を飲んだりしながら、景色が楽しめます。
もう 1 つの撮影スポットとして最近注目を浴びる、プエンテ・デル・レイ(Puente del Rey)遊歩道の巨大なガラス彫刻、Letras de Madrid Ríoが挙げられます。
ここ数年、存在感が増しているのが、Googleテクノロジー・キャンパス(Campus tecnológico de Google)。企業家と起業家の出会いの場であるネオムデハル様式の建物です。そして、デジタル文化開発の革新的なセンターであるMAD(マドリード デジタルアーツ)イマーシブ エクスペリエンス センターは、最新のテクノロジーによる最も革新的な文化的および芸術的体験を提供しています。
マンサナレス川の両岸にM-30道路が埋設された後、かつての輝きを取り戻したモニュメントもあります。その実例としては、プエルタ・デル・レイ(Puerta del Rey)、プエンテ・デル・レイ(Puente del Rey)、ビルヘン・デル・プエルト礼拝堂(Ermita de la Virgen del Puerto)、5月11日から15日までサン・イシドロ祭りが行われるサン・イシドロ礼拝堂(Ermita de San Isidro)、ラ・カステジャーナのオベリスク(Obelisco de la Castellana)、サン・イシドロ教区墓地(Sacramental de San Isidro)、セゴビア橋(Puente de Segovia)、フアン・ロン(Juan Ron)の彫刻サン・イシドロとサンタ・マリア・デ・ラ・カベサが置かれ、現在は歩行者天国となっているバロック形式のスペース、 トレド橋(Puente de Toledo)、 ロス・フランセセス橋(Puente de los Franceses)が挙げられます。ロス・フランセセス橋の近くには オエステ公園(Parque del Oeste)があり、スペイン内戦時に建設された機関銃用トーチカ30基の内、3基が今でも見られます。
ウセラ地区(Barrio de Usera)に隣接するこのエリアはマドリードの流行地区になりつつあり、買い物好きには欠かせないショッピングモールPlaza Río 2がオープンしたばかりです。この地区は本場の味の中国料理を楽しむのにも最適で、特に名高いレストランの一つにRoyal Cantonésや Mr.Doulao があります。
ラ・チョペラ通り(Paseo de La Chopera)とラ・フロリダ通り(Paseo de la Florida)の間でスペイン料理を味わうには、O'Portiño、Costello Río、Asador El Molinón、Ferreiroがお勧めです。川沿いでドリンクを楽しむなら、オリエンテ広場、アルムデナ大聖堂、サン・フランシスコ・エル・グランデ教会を見渡せる広々としたテラスが魅力のCafé del Ríoへ足を運びましょう。Restaurante OSAでは、国内の食材を使用し、フランスの技術、和の感性を備えたグルメ志向の料理を提供しています。