パブ、カフェ、タベルナ(居酒屋レストラン)が多く、週末のナイトライフで知られるマラサーニャは、レトロスタイルやヤングファッションのショップ、古書や古本を扱う書店が立ち並ぶショッピング・エリアでもあります。
このショッピング・エリアの名前は、1808年5月2日に起きたフランス軍への民衆蜂起の際に犠牲者となったヒロイン、マヌエラ・マラサーニャ(Manuela Malasaña)にちなんでつけられたもので、この地区には彼女の名前を冠した通りがあります。マドリードとスペインにとって重要なこの史実を今に伝えるドス・デ・マジョ(スペイン語で「5月2日」)広場は人気スポット、マラサーニャ地区の中心的な場所であると言えましょう。
通りには、ビールを飲みながらタパスやピンチョスをつまんだり、夕食をとったりできる店が数多く並んでいます。夏場は屋外のテラス(特にドス・デ・マジョ広場のテラス)が賑わいを見せます。
ビンテージ礼賛
マラサーニャには、オルタナティブ・ファッションの若者にとって特に魅力的なショップが多数揃っています。この地区には、El Templo de Susu、La Cierva Vintage、Poplandをはじめとする、60~80年代の新品または古着など、あらゆるアイテムを扱うレトロスタイルの店が並び、0歳から6歳の子供向けのブティックMon petit retroなどもあります。
「モビーダ(Movida)」の名残
マラサーニャは、80年代にマドリードに生じた有名な文化・社会ムーブメント、「モビーダ」の中心地でした。当時の作家、ミュージシャン、アーティスト全般が主人公となったこの様式革命は、伝説の時代を思わせる革のジャンパーが多くの店で並ぶこの地区で、今も続いています。
老舗と流行のショップ
マラサーニャにあるのは、過去へのノスタルジーだけではありません。ティーショップやグラフィックデザイン・スタジオなど、現在のトレンドを感じさせる店舗があるほか、新しい店も次々とオープンしています。100年以上の歴史がある老舗としては、職人が作るアルパルガータ(スペインで暑い季節によく使われる履物)が店内を埋めつくすAntigua Casa Crespoや、弦楽器職人フェルナンド・ソラール(Fernando Solar)の工房などが挙げられます。
青空市と書店
マラサーニャ地区には、古書や古本を扱う書店や青空市が多くあります。代表的なものとしては、毎週土曜日にドス・デ・マジョ広場で開催されるマラマーケット(Malamarket)、中古品を扱う 月に1度のアデリータ・マーケット(Adelita Market - Espíritu Santo通り 23)、3か月に1度バルセロ市場で開かれるマラサニャ・マーケット(Malasaña Market)、デザイン関連のシエント・イ・ピコ(Ciento y pico -Velarde通り 14)、ラ・バケリア(La Vaquería -San Joaquín通り 16)、そして San Vicente Ferrer通り 33 と San Andrés通り 8にガストロマーケットとデザイン市の2つのスペースを持つラ・インドゥストゥリアル(La Industrial)などがあります。
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